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バガモヨの道
うちの前の道は、じゃり道だ。
周りの人には、不便だろう、と言われる。
雨が降れば、砂利が流れて、穴が開いてしまったり。
草刈りをしなければ、すぐにやぶになってしまうこの道。
毎日生きていうrかのように様変わりする、170mのじゃり道。
じゃり道と、友達のように付き合ってる。
雨が降って、車が通って、穴が開いてしまうたびに、犬が拾ってきた石ころや、瓦を割って、埋める。
いつの間にか石畳のようになっている。
だんだん膨らんでくる、ワダチの真ん中も、イノシシがミミズを取るために、牙でならして、ちょうどよく削れてる。
うちの前を通って、墓参りに行く人が、たまに声をかけてくる。
「草刈り大変だね。」
そんな会話も舗装されてしまったら、無くなってしまうのだ。
人の汗や、会話や、努力が、じゃり道を作っていて、
また今日もジャリジャリと、その上を走る
生きていることは、じゃり道みたいなものだと思う。
いつなくなるかわからないような道の上を、僕らは、何十年か、ふわふわとうろつくだけのことだ。
アスファルトの上で育ってきたからか、僕はじゃり道が好きだ。
じゃり道の世界の方が、やわらかい中で人生を生きている実感が持てる気がする。
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2020.04.13 / Top↑
だんだん青に




あなたに映る僕は

心に灯った蝋燭

一生懸命

風に吹かれても守ったはずが

川に浮かべて流れていった

いつからだろう

その日がただの

テレビに映る火になり

懐かしい思いからも

遠ざかる景色

小さなお庭になってしまった。

僕が本当に欲しかったのは

ただ砂浜を二人で歩くだけの

そう、はだしであるくだけのじかん

月が二人を照らしている

小声でようせいたちが歌う

しじまを照らすざんとうの

埋められた記憶を、とこしえに

そしてまた一人

黒い海は、だんだん青に

波が僕を砂浜から浮き立たせる

イルカの声(チェロ)が海中にこだまする

だんだん青に

浜は黄色くなっていった

 そめられた昨日という時間

ふみしめた今という時間
2020.02.11 / Top↑
満員電車の中
いねむりしている
こんなにもたくさんの人が
はたらいているのだから
僕ぐらい楽しても
世の中はまわっていくはず
山手線にのって
ずっと眠っている
誰も僕をおこさない
誰も注意しない
イスから足を投げ出してぶらぶらしている、
誰だか知らない人の肩に、ずいぶんよっかかってねていた。
ものうげな午後のかくえきていしゃ
どこに向かうわけでもなく、でんしゃに乗って、
まんいんでんしゃの中、いねむりしている
なぜだか、でんしゃの音は、子守唄に聞こえてくる。
田舎の畑で、母さんが草をつんでる。
土のにおいと、たきびのけむり、
たくわんのような、しわくちゃの顔
まんいんでんしゃの中で、
ぼくはいねむりしている。
2019.10.27 / Top↑
山の麓の月と星

真っ暗な中に、一つの星が瞬いていました。
広い宇宙の中で、隣の星というのは、とっても遠くにあったので、話し相手には遠すぎました。
自分が輝いていても、光で信号を送っても、届くまで、何万光年もかかってしまうのです。
「おーい」(おーい・おーい)ただ言葉だけがこだましていました。
自分と同じように、光っている星と話がしたくて、
星は旅に出ました。
しばらくすると流れ星が通りかかりました。
「あの君」
呼び止めようと話しかけると、
「ダメダメ、忙しいんだから、邪魔だよ、どいてどいて」
と突き放されて、すぐにさってしまいました。
なんだ少しくらい話ができるかと思ったのに。
またしばらくすると、
今度は彗星が近づいてきました。
美しい尾を引きながら、通ってゆきます。
「あの、こんにちは」そう話しかけると、
「ごめんあそばせ、わたくし、ただいま宇宙ツアー中でして、予定がいっぱいなんですの、では失礼。」
と言って優雅に通り過ぎてしまいました。
「なんだつまんないの」
星は、なかなか自分の話に付き合ってくれる星に出会えません。
またまた旅を続けていると。
今度は大きな星が、のったりのったり現れました。
自分よりも輝いている星、それは月でした。
「こんにちは」
「やあ、こんにちは」
「あの、僕と話をしてくれませんか?」
「いいよ、日に一回ここを回ってくるから、その時に話をしよう。」
やった!星はそんな友達が欲しかったのです。
星は、月が来るのを、毎日楽しみに待ちました。
ずいぶん大きく輝いたかと思うと、恥ずかしそうに細くなってしまったり、
月は毎日少しづつ姿を変えて、星の前に現れました。
星は、月が見えたら、星が目一杯明るく輝いて、
遠くから声をかけてみました。
「ねえ、ねえったら」
月は、ようやっと顔をこっちに向けて笑いました。
「なんだ、君そこにいたんだね」
やっとこ近くまで来た月を捕まえて、星はドキドキしながら、話しかけました。
「ねえぐるぐる回るのって楽しい?」
星から見るとまるで、ダンスを踊ってるみたいで面白かったのです。
月は、答えました。
「僕はこうやって、毎日おんなじようにまわってるんだ、楽しいといえば楽しいし、普通といえば普通だけどね」
「ふうん」星は言いました。
あんなに律儀に回っているのだから、きっと好きでやってるのだろう、と思っていたら。そうでもなかったみたいです。
星はまた、月が通るたびに話しかけました。
毎日、決まった時間に月が来て、また通り過ぎていく。
星が何かを言うと、月はマイペースに答えて、また山の麓に潜ってゆく。
そんな毎日が、星は好きでした。
ある日、同じように月に声をかけてみました。
「ねえ、ぐるぐる回るのって楽しい?」
月は、しばらく黙ってこう答えました。
「そうだね・・君に会える時間が近づいてくると思うと・・・楽しいね」
「そう、僕もだよ」
そう言って、月と星は、一緒に踊りました。
2019.10.11 / Top↑