世の中には、おとぼけな人というものがいるものだ。
たいていどの地域にも一人はいる。
どうゆうわけか、僕はそういった人に心惹かれてしまう。
妻方の親戚のおじさんに、この感じの人がいる。
何の仕事もしていない。
一時は、勤めていたみたいだが、今はやめてしまっている。
お酒が好きで、一日3合飲むといっていた。
妻の実家の整理を手伝っていたとき
おじさんも手伝ってくれた。
たいていどんな用事でもこの人は断らない。
いつでも気軽にきてくれるらしい。
ほかの人は、たいてい忙しいことを理由に、面倒から、にげる傾向にあるが。
この人は、とことんまで付き合ってくれる。
「どうせ暇だからさ」
そのひとことが、なぜだかとても安心させられる。
車で、荷物を運んでいるとき。道がわからないので、
カーナビを使おうとした。
おじさんの車の始めてのナビにいろいろあくせくやっている僕に、
「よくそんなことできるね」
といってくる。
「?つかわないんですか?」
自分の車なのに、めんどくさいから使ったことがないそうだ。
車に乗っている間、会話は、ずっと止まっていてもお構いなし。
僕らは、20分~30分無言で、車を運転している。
無言でいることに、嫌悪感をかんじる人がいる。
他人が無言でいることが怖いかのようだ。
たたみかけるように話しては、作り笑いをする人がいる、
そして心にもないあいずちを打って、他人に合わせ、後ほど、押しとどめた本音を吐く。
僕はそんな人といるより、話さない人といるほうがつかれなくてすむので良い。
お互い、それでも同じ人間同士という、信頼関係の中で、無言で過ごす。
休憩時間、おじさんとお茶を飲む。
僕もおじさんもお茶が大好き。濃い目の緑茶をすすりながら、せんべいを食べる。
無言のまま。
独特な空気感の中、せめてもの気を使って、2,3言話してみるが、そこから話が膨らむこともない。
なにか、人生のむなしさ、せつなさ、退屈さ、それを、沈んでいく夕日とともに、だまってかみしめているかのように。
二人でお茶をすすっている。
なんでか、とても落ち着く。
たぶん、僕もこの人も、こんな感じのまま、お茶を飲んでいるときに、ぽくっと死んでしまうんだろうな。
それでいいんだろうな。
ひとつだけ、話題として、温泉に行った事を話してくれた。
年に一度だけ、ともだちと2泊するらしい。
それが、おじさんの一番の楽しみだという。
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2014.09.22 / Top↑
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